ヌケさん。今でしょ!
ばあちゃんが転んだ。
だるまさんがころんだように。
朝まだ暗い6時過ぎの事。
どん!という大きな音と、下駄箱のガラガラと開く音がした。
また、孫が寝ぼけてサンダルで滑ったのかと思って、
なんだ?なんだ?と廊下に出てみると、あたまから、玄関のタタキに倒れていたのは、ばあちゃんだった。
大丈夫?と、起こそうとするが、すぐ痛い痛いと言って立ち上がれなかった。
骨折が脳裏をよぎる。
自分のタイミングでいいよ。段差のところに、座ってね。と声をかけると、
自力で、座ることだけは、できた。
多分だけど、骨折ではないな。
その後、主人に手伝ってもらって、ばあちゃんの部屋の布団の上まで運んでもらって様子をみた。
何が起きた?
本人の話では、お客さんが来たから、ドアを開けようとしたらしい。(朝の6時に?)
廊下と玄関のタタキの段差で滑ったという。
湿布貼って、様子をみることに。.
一晩様子を見たが
あまりに痛がるので、県立の病院を受診したが、午前中いっぱい待たされた挙句に担当医ではなく、外科の院長の診察となり、レントゲンの結果は、骨に異状なしとのことだった。
安心したものの、トイレも、食事も、介助が必要なのにどうしたものか、と言うと、
おもむろに陰に手招きされ、
コロナの陽性者かでたから、入院はさせられないと告げられた。
私まで小声になるほどに、処置室の隅で院長自らが、院内の感染をカミングアウトするのだから、余程の事態なのだろうと思い、
ばあちゃんの介助も、腹くくらないといけないな、と考えを巡らせていた。
常々、介護については、いつか覚悟しなければと思っていた。
それが、今なのかもしれない。
あれから、
3週間が経った。
その後、整形の診察をあらためて受け、ヒビが入ってるのがわかったが、入院にはならず、介助をしながらの生活が始まった。
現在、自力でトイレにいけるまでに、回復している。
にしても、院長の意味深な話は、何だったのだろう?